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体内時計とアレルギー反応との関連について

「体内時計」の分子機構の解明に対して2017年のノーベル医学・生理学賞が決まりました。今トピックスの体内時計ですが、この体内時計とアレルギー反応の関連も解明されてきています。ちょうど2017年の日本鼻科学会で山梨大学免疫学講座の中尾先生が講演されましたので、その概要について解説します。

1.はじめに

アレルギー性鼻炎や喘息、蕁麻疹は一日の中でも特に悪くなる時間があることはよく知られてます。例えば蕁麻疹は夜、アレルギー性鼻炎は朝に悪くなることが多いです。喘息は早朝から朝にかけて症状が強く出ることがあり、モーニングアタックと呼ばれています。 モーニングアタックを起こすと朝から気分不良になり、登校や出勤の妨げになります。こういった時間による症状の増悪にはダニやハウスダストなどのアレルギーを引き起こすアレルゲンの関与は当然ありますが、概日リズム(周期性)が体内に存在して引き起こされるということもわかってきています。 モーニングアタックをおこす時間帯には体内ではアドレナリンやステロイドであるコルチゾールの低下にくわえ、ヒスタミン濃度の上昇による気道狭窄が起こっていることが報告されています。そして、この現象は遺伝子レベルでの反応が起こっていることがわかってきているようです。山梨大学の中尾先生は「時計遺伝子」であるPeriod2が関与しているという研究をされています。

2. 体内時計とは

1990年代後半からいくつかの「時計遺伝子」が発見され、1日、24時間の周期での生命活動が遺伝子によってコントロールされていることがわかってきています。ヒトの場合は24時間強での周期があり、体の臓器のあちこちに体内時計があります。一日一度、これらがリセットすることで24時間周期を保てるようになっているようです。これら体内時計をリセットしているものが大きく3つあります。一つ目は脳にあり、目からの光刺激が重要とされています。2つ目は体の臓器に存在する体内時計で、皮膚・肝臓・肺・血液中に存在していることがわかっています。3つ目は分泌ホルモンで、その中でもグル子コルチコイドホルモンが重要であることが解明されています。 簡単にいえば、朝に周囲が明るくなると体内時計が補正されます。朝ごはんを食べれば体内時計が補正されます。今まで言われているように、夜のテレビやスマホの使い過ぎは脳の体内時計を狂わせ、朝食を抜いたり夜食をとったりするということも、臓器の体内時計を狂わせることになります。体内時計が狂ってくると睡眠障害、うつ病、メタボリックシンドロームになり、また癌にもなりやすいことがわかっています。

3. 体内時計とアレルギー反応

アレルギー反応は、異物を感知して排出するための反応であり、マスト細胞がアレルギーの主体です。アレルギーを引き起こすマスト細胞にもこの時計遺伝子が存在することが解明されました。つまり、遺伝子レベルでアレルギー反応が調節されているということです。概日リズムが補正されないと、モーニングアタックが日中も継続することになり、症状が増悪してしまうのではと考えられているようです。つまり、今までいわれている規則正しい生活は、治療効果を高めることができ、遷延するアレルギー反応を抑えられる可能性があるということです。

4.まとめ

以上、体内時計とアレルギー反応に関して山梨大学の中尾先生の研究から簡単ですが説明いたしました。この分野がより解明できればモーニングアタックを抑えることができるかもしれず、アレルギーに苦しんでいる患者さんが受ける恩恵は計り知れないものとなるでしょう。研究のさらなる発展に期待したいですね。

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